北周〜隋の貴族3体の古代DNAが、鮮卑姓を持つ漢族貴族の実態を明らかにした。
中国北方は農耕民と遊牧民の交流が盛んな地域でした。本研究では北周から隋時代の貴族墓2基から3人の古代ゲノムを解読し、親子関係を含む家族構造を復元しました。彼らは鮮卑の姓を持ちながら、遺伝的には中国北方の定住農耕民に最も近く、ユーラシア草原遊牧民の遺伝的影響はわずかでした。これは史料にある「鮮卑姓を賜った」漢族貴族である可能性を示します。
分析されたのは2つの貴族墓から出土した3体で、Y染色体は2体がO-MF371に属し、ミトコンドリアDNAはM8が2体、B4b1a3aが1体でした。Y系統O-MF371は現代中国北方の漢族に広く見られる系統で、母系も東アジア系が中心です。この結果は、彼らが漢族貴族としての遺伝的背景を持ちつつ、草原系の姓を名乗っていたことを裏付けます。
鮮卑支配下でも漢族貴族の遺伝的連続性が保たれていたことを示し、姓と遺伝的出自が一致しない例として、祖源研究における文献とDNAの照合の重要性を教えてくれます。
| ハプログループ | サンプル | |
|---|---|---|
| O-MF371 | 2 |