古代ゲノムが解き明かすインドネシア東西遺伝境界の二段階形成
インドネシアの東西にはウォーレス線という生物地理的な境界があり、遺伝的な違いも存在します。今回、西インドネシアの新石器時代後期の古代ゲノム2例が報告され、既存の19例と統合して分析されました。その結果、東西の遺伝的分化はまず完新世早期に始まり、西側は和平文化関連、東側はパプア関連の狩猟採集民祖先に近いことが示されました。その後、南島語族の拡散や大陸東南アジアからの遺伝子流、パプア関連の逆移住がこの初期構造を強化・再形成したと提案されています。
本解析には西インドネシアの新石器時代後期の古代ゲノム2例が新たに加えられ、既存の19例と合わせて計21例が用いられました。Y染色体は2例とも解読され、O-F3288とO-FT131196という系統に属します。ミトコンドリアDNAは2例ともY2a1に分類されます。これらのデータは、西インドネシアの古代集団の遺伝的構成を直接示す貴重な証拠となります。
インドネシアの祖先を考える際、東西の遺伝的違いは単一の出来事ではなく、完新世早期の分化とその後の複数回の移住が重なってできたことが重要です。自分のルーツが西側か東側かで、参照すべき古代集団が異なる可能性があります。
| ハプログループ | サンプル | |
|---|---|---|
| O-F3288 | 1 | |
| O-FT131196 | 1 |
| サンプル | Y-DNA | mtDNA | 文化 / 時期 |
|---|---|---|---|
| LMCM1 | O-FT131196 | Y2a1 | · 早期金属时代(1818-1622 cal BP) |
| LMCM2 | O-F3288 | Y2a1 | · 新石器时代晚期(3442-3253 cal BP) |