貴州の洞窟から出土した元明時代の22人の古代DNAが、集団の起源と死の背景を明らかにする。
中国南西部の雲貴高原は古くから多様な民族が暮らした地域です。貴州省南部の洞窟から見つかった元末明初の22体の遺骨を全ゲノム解析したところ、彼らは古代北東アジアと南東アジアの血統が混ざった、非常に均質な集団でした。周辺の同時代集団とは遺伝的に区別され、現在の南西部の民族集団に受け継がれる要素を持っています。
分析された22体のうち、Y染色体が6体で判定され、O-M111が2体、O-Z24083、O-F2320、N-F1101、O-F2758が各1体でした。ミトコンドリアDNAはM7b1a1a2が4体と最も多く、C7a、M7b1a1h、D6、M76aが各2体、M74aが1体です。母系ではM7b1a1a2が目立ち、多様な母系系統が混在しています。
南西部の民族集団の成り立ちを考える上で、元明時代の集団が現在の多様性に寄与した可能性を示す貴重な事例です。女性主体の家族集団という特徴も、当時の社会構造を考える手がかりになります。