ブルターニュとロワール川流域の古代DNAが、西欧の人口史に新たな光を当てる。
この研究は、フランス北部とロワール川下流域の現代人と中世人のゲノムを解析し、ヨーロッパの三つの祖先集団(狩猟採集民、初期農耕民、ヤムナヤ牧畜民)の混合の歴史を明らかにしました。特にブルターニュ西部ではステップ系祖先が最も多く、ベル・ベイカー文化との強い遺伝的つながりが確認されました。ロワール川を挟んだ南北での遺伝的分化も顕著です。
解析された中世試料は6個体で、Y染色体ハプログループはR-L2、R-Y146438、R-ZP75、E-PF2348、J-Z1853が各1例、残り1例は未解読でした。ミトコンドリアDNAはU4b1b1b、K1a4a1、H3n、U5b2b3、H1aj、H7hが各1例です。年代は340-545 CEから943-1024 CEにわたり、移住時代から中世前期の西フランスの遺伝的多様性を反映しています。
祖源愛好家にとって、フランス西部、特にブルターニュがステップ系祖先とベル・ベイカー文化の遺伝的遺産を強く保持していることが重要です。また、ロワール川が遺伝的境界として機能してきた可能性や、中世試料のY・mtDNAハプログループの多様性は、西欧の父系・母系系統の分布を理解する手がかりとなります。