骨から堆積物へ、露天遺跡の古代DNA研究の可能性を探る。
この研究は、沖縄の勝連城跡と北海道の大島2遺跡という露天考古遺跡から採取した堆積物サンプルを用いて、古代人のミトコンドリアDNAを分析できるか検証しました。骨のない場所でもDNAが残っている可能性に注目し、次世代シーケンサーで解析した結果、堆積物からも人骨と一致するミトコンドリアDNAハプログループが検出されました。これは、遺跡に骨が残っていなくても、堆積物から古代人の遺伝情報が得られる可能性を示しています。
この研究では、沖縄の勝連城跡から5点、北海道の大島2遺跡から11点の堆積物サンプルが分析されました。勝連城跡では、2つの墓坑から頭骨内、骨盤周辺、肋骨周辺、墓坑外の土壌が採取され、同じ個体の肋骨も比較に使われました。大島2遺跡では住居内の異なる場所から11点が集められました。合計16点の堆積物からDNAが抽出され、骨がなくても遺伝情報が残る可能性が調べられました。
遺骨が残っていない遺跡でも、堆積物から古代人のミトコンドリアDNAが得られる可能性が示されました。これにより、これまで遺伝情報が得られなかった遺跡や地域の祖源研究が進むかもしれません。特に日本列島の古代集団の移動や交流を探る新たな手がかりになるでしょう。