イビサ島イスラム時代の13体ゲノムが、北アフリカ・サハラ以南の多様な起源と病原体を明らかにした。
スペイン・イビサ島のイスラム墓地(950~1150年)から出土した13人のゲノムを解析した研究です。祖先成分はヨーロッパ、北アフリカ、サハラ以南アフリカに由来し、集団が遺伝的に多様だったことがわかります。北アフリカからの遺伝子流入は、これらの人々が生きる2~7世代前と推定され、イベリア半島征服後の混血を示します。また、2人はセネガンビアと現在のチャド南部という異なるサハラ以南起源を持ち、当時の軍事・奴隷ネットワークによる跨サハラ接触を裏付けます。
分析対象はイビサ島のイスラム墓地(ldo141)から出土した13人で、うち9人でY染色体ハプログループが判定されました。Y系統はE系統が多く(E-FT194594、E-M4732、E-MZ1、E-Z21392、E-BY10232、E-MZ8)、R系統(R-KMS36、R-BY44400)も見られます。ミトコンドリアDNAはH1e1aが2例、H1、K1b1a1、L3e1c、V、K2aが各1例です。L3e1cはサハラ以南アフリカ系を示す系統で、常染色体の多様性と整合します。
イベリア半島のイスラム期は北アフリカやサハラ以南とのつながりが深く、現代スペイン人の祖先形成を考える上で重要です。Y・mtDNAの多様性は、征服後の移住と混血が実際に起きたことを示し、自分の系統が地中海を越えた中世の人流とどう関わるかを考える手がかりになります。
地図タイル: TheYtree · 点の大きさ = サンプル数
| ハプログループ | サンプル | |
|---|---|---|
| E-MZ8 | 1 | |
| E-CTS4236 | 1 | |
| R-KMS36 | 1 | |
| E-FT194594 | 1 | |
| E-M4732 | 1 | |
| R-BY44400 | 1 | |
| E-MZ1 | 1 | |
| E-Z21392 | 1 | |
| E-BY10232 | 1 |
| サンプル | Y-DNA | mtDNA | 文化 / 時期 |
|---|---|---|---|
| ldo121 | E-M4732 | L3e1c | |
| ldo115 | R-KMS36 | H1 | · Middle Ages |
| ldo116 | E-MZ8 | V1a | · Middle Ages |
| ldo118 | E-BY10232 | HV0 | · Middle Ages |
| ldo123 | E-Z21392 | H1e1a | · Middle Ages |
| ldo130 | E-MZ1 | V | · Middle Ages |
| ldo131 | R-BY44400 | K1b1a1 | · Middle Ages |
| ldo136 | E-FT194594 | L3b2a | · Middle Ages |
| ldo140 | E-CTS4236 | K2a | · Middle Ages |